まや-NET

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金曜日, 1月 04, 2008


   ▲たかだか金じゃないかと言うナイスガイ、ジェミー
1月5日 悩ましく慎ましい帯封
 年末に書かなかった相手に年が明けてからあわてて答礼を投函するのを「戻り賀状」といい、季語にもなっているらしい。民営化なった郵便も80億という広告費を費やしたので今年は27日まで「年賀状は贈り物」と、発売を続ける。なんと一世帯当たり200円弱(ハガキ4枚)も費やしている。儀礼習慣として定着した当節、虚礼廃止と叫びたい御仁もいるが「出したけりゃ出せ、出さぬもよし」である。
 そんな戻り賀状がそろそろ着き出した。中に一通、20年来付き合いのローカル紙の社主が新年号を届けてくれた。その新年号の帯封を見て一瞬ハッとした。黄ばんだ紙で裏側を見ると90年11月15日付けのファックス印字紙だ。排紙を利用して悩ましく慎まし過ぎる、MOTTAINAI精神もここに極まれりだ。
 ローカル紙といえば役所や関係者にある種のこわもて扱いをされているが、くだんの社主は強がりの反面、人の機微を掴むのが巧くて憎めないキャラクター。粒粒辛苦して今日のポジションを築いたとお相伴した席でしばしば聞き及んだ。こんな紙を再利用するなんて単なる吝嗇家だけでは出来そうにない。黄ばみから粋狂ささえ滲む。
 粋狂ついでに排紙の内容にも興味がわいて仔細に覗き込んだ。18年も前のものをシュレッダーにかけずに送られてきたのは時効か、内容露出も可と踏んでのことだろう。ファックスはミスター・キース・サンダース宛で発信人は北シドニーのプリンストン国際エコノミック社のV・ラソスキーとジョン・マックギネス。なにやらメモの手書きも判読できるがビジネスレターのようだが、これ以上の詮索は止める。
●本日朝、NKさんが帰省先の平湯温泉土産=朴葉味噌・栃の実煎餅・黒まめ餅・牛蒡漬け・山葵漬け・山菜漬けを送ってくれた、深謝!
●本日の駄句「筆跡の残る賀状をまず掬い上げ」
1月4日 今日・明日・明後日
 3カ日は終わって世間は日常回復か。おおかたの三日坊主はこの日を境にNEW YEAR'S RESOLUTION(新年の臍固め)を雑踏に揉ませてしまう。
 鳥取でターミナルケア(終末医療)をしている徳永進医師は余命いくばくもない患者から「先生、私いつ死にますか?今日は大丈夫ですか?明日ぐらいですか?」と尋ねられたら、NOのゼスチャーで応えるという。「それじゃあ、アサッテは?」はと聞かれたら、コックリうなずき「まあ、そんなもんでしょう」と相槌を打つと患者は安心するらしい。今日明日の問題ではない漠然とした明後日に託すことで人は生きる安心を得るらしい。大いなる明後日に希望を託そう。
 哲学者・内山節は「人間の身体や生命は、いまを生きているだけなはずだ。知性だけが自分の未来に視線を送る。そのことによって自らが『飲み込まれていく』というワナに嵌っていく。それは一体なぜなのか。自分を除外してしまえば私たちは未来への想像力を高めることができるのに、自分の未来になった瞬間になぜ人間は想像力を萎ませてしまうのか。」と人間の実存の問題を追う。
 そして、三日以上のことは考えない。今日、明日、明後日にこだわり、生きてきたことで、現代社会の中の自分の場所を確認しているという。小脳の萎縮が進み、洗面時によろけながら鏡の中の今日と明日、明後日の貌を見比べる日がまた始まった。
●本日、青春時代に知己を得た元Y紙記者から「車椅子を知った、心配だと」電話をいただく。たどたどしく応対。80歳のハードルを越され、なお、文筆にいそしんでおられる由。
1月3日 神様はだんだん遠くなる
 7時半には起床、晴れ穏やか。11時前、歩行訓練に出るも不調で1ブロック進めず。午後、産土の富松神社に初詣。昨年は車椅子を押して約2キロの道のりを歩けた。一昨年は強風の中、杖で歩いてお参り出来たのに、今年は娘の運転で車椅子を押してもらっての参詣。しかも今年は参道に砂利が綺麗に敷かれている。トホホ、もちろん拝殿は段差でアプローチできない。神様との距離はだんだん遠くなる。
1月02日 歩行訓練再開
 晴れ、風なく穏やか。豪NSW州破丘市BOBから返信あり、HAPPY NEW YEARメッセージと息子たちの写真を添えてクリスマスの団欒レポート。15,6日ごろから300㌔を走駆してアドレードで皮膚がんの検査を受けるという。
 11時から公園で歩行訓練再会。まあまあの歩きだ。夜、カニスキで再度一族全員集合。
08年元旦 除夜の鐘を聴いてたかだがカネと割り切るのも爽快!
 晴れているが風あり寒い。下着、本日から上下長もの着用。
 朝、豪NSW州破丘市(ブロークンヒル)BOBとオレゴン在住DAVIDに年賀メールを。そのBOBがクリスマスの過日、帰省した息子ジェーミーがXmas 料理にと目玉飛び出るほど高価な好物イセエビを買ったという。人を喜ばせるのが持ち味の息子は父に"its only money !! don't worry about it!!), と言い放って買うのを渋っていた父を黙らせた。もっともだ!と感心して父親のBOBはこの会話をメールで知らせてきたので、こちらも同感とメールに添え書きを発信。
 賀状到着。なかに不可思議なものあり、宛名記名はちゃんとあったが裏面真っ白?パソコン印字されていて何方からか推測不能。オモ白い!と洒落てみる。
 STさんのメールが本日の秀逸!「謹賀新年 賀状受領、感謝多謝 電脳日記、早速拝読 日乗拝察、向後必読」とある。拝復賀笑、簡潔明瞭、以心伝心。
 息子帰宅。娘夫婦来宅で新年の宴。祝い鯛、御節と鴨鍋、娘自作のデコレーションケーキで祝杯。夜、風呂場前で支点を持ち損ねて転倒、風呂場のシャワーの栓まで開いて水浸し。元旦から憑いていることだ!!そうはいっても転倒・誤嚥はこの病気の致命傷になる、油断大敵。一昨日も居間でスッテンコロリとやったばかりだ。機能は日ごと衰えるが、自己嫌悪に陥らないゾ。