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木曜日, 12月 04, 2008

12月3日(水)見るべきほどのことは見つ
●KAI君続報。転院(Ronald McDonald House・Kai Hardesty・Room #10535 Alabama Avenue・Memphis)して順調だが、リハビリや回復状況など先行きの不安をDAVIDが漏らす。直通電話も開設したが如何せんこちらは喋れないよ!
●『見るべきほどのことは見つ』
「図書12月号」木下順二の甥・不破敬一郎の「木下順二と山本安英」が身内ならではのエピソードで興味深い。大好きなフレーズ『見るべきほどのことは見つ』が子午線の祀りのモチーフだったとは!
昭和23年11月に安英に演じてもらおうと1週間で「夕鶴」を書き上げ24年に『婦人公論』に発表。当時、順二は24歳、安英の8歳下。同年10月に丹波市(*懐かしい地名!そういえば我が父は最期まで天理といわなかったぞ)・天理教館で初演とある。35年には「オットーと呼ばれる日本人」で姿勢を世にアピール。53年に「子午線の祀り」で平家物語の知盛をモチーフに。
「見るべき程のことは見つ、いまは自害せん」と残した一言が戯曲を形づくる一語であったとしている。しかも事前に、順二は物理専攻の甥・敬一郎に「子午線って何?詳しく教えてよ」とせがんでいる。
『地球の中心から延びる一本の直線が、地表の一点に立って空を見上げるあなたの足の裏から頭へ突き抜けてどこまでもどこまでも延びて行き、無限のかなたで天球を貫く一点、天の頂き、天頂。』
という奇抜な「群読」(日本演劇史上初のスタイル)で幕が開き、
フィナーレは『大空に跨って眼には見えぬその天の子午線が虚空に描く大円を三十八万四千四百キロのかなた、角速度毎時一四度三十分で月が今通過するとき月の引力は、あなたの足の裏がいま踏む地表に最も強く作用する。そのときその足の裏の踏む地表がもし海面であれば、そのあたりの水はその地点へ向かって引き寄せられやがて盛り上がり、やがてみなぎりわたって満々とひろがりひろがる満ち潮の海面に、あなたはすっくりと立っている。』
と源氏の潮の干満を利用した作戦に敗退するくだりを修辞する。戯曲の最後に知盛が「影身よ!」と絶叫し、満天の星の下に現れ引用の文言を言って幕が降りる。安英が演じる知盛の思い者「影身の内侍」は順二の創作。
■7時過ぎ起床、今日も快晴で温暖。9時半から公園へ歩行訓練に。鉄棒縋り歩き5回、いつも通りコ―ス半周して事務所で一服。労災で火傷のオジサンとしばし。傷口見せてもらう「継続は力なり。車椅子生活3カ月、歩けるようになっただけでも是とする」の言葉。室内移動も思うように行かない、と嘆息するよりパソコンに向かうことが出来るし、ゆっくりながらトイレへも自分で行けると、納得しよう!
 昼食後SIESTA、起きてサンファン着彩。夕刻書評閲覧。