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金曜日, 1月 09, 2009


英国バスに「神は存在しない」広告

 07日付ニューヨークタイムスのワールドニュースにロンドン発で『無神論者、英のバス八百台にメッセージ』が目に付いた。おもろいのに国内メディアで取り上げられないし、わが神国ニッポンの広告会社がもしこんな広告を持ち込まれたら、と思うと興味は尽きないぞ!!

 また、04年末茨木市でひっそりと客死した畏友ロンドンのアナーキスト作家・イアン・カリショフスキーならどうコメントしたか?偲ばれる。

▼記事要約

なんとあの名物二階建て赤バスに「多分、神様なんて存在しないよね“There’s probably no God,”、くよくよすることなく人生を楽しもうよ“Now stop worrying and enjoy your life. 」”と表示した バスが英国を走り回っているらしい。写真も添えられている。

 仕掛け人はコメディ作家のエイリナ・シレーヌ。6月にウェブで友だちが「永遠の苦しみ」没頭しているのを知って仰天し、奇抜なことを思いついた。もし走るバスに「ロンドン動物園から逃げたごっついライオンに注意!」や『そのオレンジジュースは偽物だ、飲んだら死ぬよ、注意!』なんてあったら、どうなるか。信心深い人を改心させるため無神論者のメッセージをバスに載せてみたらと、ガーディアン紙のウェブサイトに書いてみた。

 10月に始めたとき関係者はささやかに8000$集まればいいと思っていたが、波紋は広がり科学者で作家のリチャード・ドーキンス、哲学者のA・Cグレーリング、英国ヒューマニスト協会などが支持し4日間で15万$も集まり、またたく20万$を越え、火曜日には英国全土に800台のバス広告がお目見えした次第。

 ハイドパークのスピーチ広場の集会でも話題になり、道いく人々はこの異様なメッセージに見とれた。「そりゃひどいと私は思う」ロスから来た旅行者サンドラ・ラファイエル76は言う。神を信じ神によって人生を楽しみ感謝してるが「誰も自分の意見を言う権利はある。でも私は好きではない」と豪から来たサラ・ホールは見て楽しい、言論の自由が健全であるいい例だ「いずれにせよあなた(の船)は漂っているし」という。

 ロンドンのキャンペーンに触発された米ヒューマニスト協会も11月にワシントンでバスを。サンタ姿の男の絵が添えられもっと調子を抑えた「神を信じれるか?」の表示。豪の無神論者はバス広告「日曜は寝ていようよ」を拒否されたが、メソジスト教会は神について論議することはいいことだと歓迎の向きだ。

 エリザベス女王は英国国教会のトップだが、英国も世俗的になって大多数が教会に通わなくなったし、信教をあらわにしない政治家も多い。首相だったトニー・ブレアも03年インタービュアーに宗教について答えて報道官アラスター・キャンベルをさえぎり「神のようには振舞えない」と言った。ブレアは辞職後ローマカソリック信者になった。自民党のリーダーで国会議員のニック・クレッグも無神論者だと公表している。保守党党首デヴィッド・キャメロンは宗教信念について「大衆ラジオ局マジックFMの受け付けのように行き来するもんだ」とジョーク。それとをなく宗教心について披露。

 9・11テロ事件以来、宗教は国民的ディスカッションの重要議題を担ってきたが、ベストセラー『神の錯誤』の作者ドーキンは、政府は宗教的見解を求められ英国教会司祭が依然自動的に上院に議席を持つ権利をも検討されるべきだと主張している。クリスチャンでなくても、プロパガンダが神から与えられた権利を持つと考える他の宗教も含めて考えるべきだとしている。

 来週、無神論バスキャンペーンは1000台に増えエミリー・ディケンソン、アルバート・アインシュタイン、ダグラス・アダムス、キャサリン・ヘップバーンから引用した文言を採用予定だ。ただ、バス広告を扱いCBSロンドンの屋外広告担当専務ティム・ブレークリーは無神論者がバス広告を出すことに問題はないが、英国広告ガイドラインに照らしてみるべきだ。アクション映画のように通勤者に向けて銃口を向ける潜在力広告は拒否されるべきで、信心深い人々にとって神が存在しない広告はミスリードだと言い、コードに抵触しグレーゾーンだとも論評している。