まや-NET

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水曜日, 3月 30, 2011



▲近作・上から「虚空へ」「虚空へ2」「春の景」


晴れときどき阿呆果 またしても原子力安全委員長!

 M詩朝刊3面にまたまたショックの記事。福島第1原発:汚染水対応 班目氏、「知識持ち合わせず」と見出し!班目春樹・原子力安全委員長は28日夜の記者会見で、東京電力福島第1原発のトレンチでみつかった高放射線量の汚染水への対応について、「どのような形ですみやかに実施できるかについて、安全委ではそれだけの知識を持ち合わせていない。まずは事業者(東京電力)が解決策を示すとともに、原子力安全・保安院にしっかりと指導をしていただきたい」と述べた。首相への勧告権限も持つ専門家集団トップの発言だけに、その役割について議論を呼びそうだ。同委員会は原子力利用時の安全確保のために基本な考え方を示し、行政機関や事業者を指導する役割を担い、他の審議会より強い権限を持つ。だが、班目委員長は23日に会見するまで、国民に対して見解や助言の内容などを説明することがほとんどなく批判を浴びていたと、大場あい記者は伝える。

 トホホではないか!原子力安全委員会のホームページを開くと次ぎのようにある。 原子力安全委員会は原子力基本法、原子力委員会及び原子力安全委員会設置法及び内閣府設置法に基づき設置されています。原子力を安全に利用するための国による規制は、直接的には経済産業省、文部科学省等の行政機関によって行われていますが、原子力安全委員会は、これらから独立した中立的な立場で、国による安全規制についての基本的な考え方を決定し、行政機関ならびに事業者を指導する役割を担っています。このため、内閣総理大臣を通じた関係行政機関への勧告権を有するなど、通常の審議会にはない強い権限を持っています。事務局は霞ヶ関・中央合同庁舎4号館にあり、虎の門三井ビルに会議室もある。職員は事務局長以下約百人、企画官・安全調査管理官2人・規制調査対策官もいる。事故以来、ほとんど国民に情報を流さないし、メディアも追わない。 

 会長を含む5人いる原子力安全委員会委員は全員常勤、さぞや高給をあてがわれていると思うが? レンボーさん次回はしっかり仕分けてください。

班目 春樹(専門:流体・熱工学)1972. 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了 東京大学大学院工学系研究科教授を経て10年4月から.常勤▲久木田 豊(専門:原子力熱工学)1975.東京大学大学院工学系研究科博士課程修了 名古屋大学大学院工学研究科教授 を経て09年4月から.常勤▲久住 静代 (専門:放射線影響学)1972. 広島大学医学部医学科卒業(財)放射線影響協会放射線疫学調査センター審議役を経て04年4月から常勤▲小山田 修 (専門:原子炉構造工学)1970.東京大学大学院工学系研究科修士課程修了 (独)日本原子力研究開発機構原子力科学研究所所長を経て09年4月から.常勤▲代谷 誠治(専門:原子炉物理・原子炉工学)1974.京都大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学 京都大学原子炉実験所長を経て10年4月から.常勤


◆ また、ホームページにはご丁寧に「原子力安全委員会に対してご意見やご質問を行いたい方々のための情報や、過去に原子力安全委員会が行った国民との対話活動に関する情報などを掲載しています。(※平成23年3月11日以降、今般の災害への対応のため、通常と同様の対応をさせていただくことが、極めて困難な状況となっております。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。)」とある。(3月29日記)


晴れときどき阿呆果 神の一撃


 今朝のM紙文芸コラム『詩歌の森』で酒井佐忠は「ただ言葉を失う。詩歌の言葉にどれほどの力があるだろう」と、齋藤愼爾が編んだ「悲傷と鎮魂―阪神大震災を詠む(朝日出版社)」掲載の次の句を紹介。

 「国一つ たたきつぶして 寒のなゐ」安東次男 02年没

 「地震国 日本お粗末 寒満月」三橋敏雄 01年没

 「白梅や 天没地没 虚空没」トイレで地震に遭った永田耕衣 97年没

 「魂や パワーショベルの 銜(くわ)へたる*銜える(中に入れる)=手拭(てぬぐ)いを銜える」小川双々子 06年没

 「はらからの 生死は知らず 寒牡丹」暉峻 康隆(てるおか やすたか) 01年没

 「寒暁や 神の一撃 もて明くる」神戸在住で自宅全壊だった和田悟朗。『風来』を昨年創刊した。

(3月28日記)


晴れときどき阿呆果 語るをカタル


 過日、HA君がくれた【節電のお願い】メールは、真面目オジサンの同君からなので、了解返信をして置いたが一転、チェンメールの類いだと、関電が認めた。メール内容はこうだ。「友人からの転送」で、少しでも私たちにもできることをしましょう!! 関西電力で働いている友達からのお願いなのですが、本日18時以降関東の電気の備蓄が底をつくらしく、中部電力や関西電力からも送電を行うらしいです。一人が少しの節電をするだけで、関東の方の携帯が充電を出来て情報を得たり、病院にいる方が医療機器を使えるようになり救われます!※このメールをできるだけ多くの方に送信をお願いします。【たいしたことはできないけど、何か協力できることはやりましょう。文責HYと、ご丁寧にも注釈付き。


 怪しい怪しい!と思っていたが、関電の変換送電能力は100KW、微々たるモノ。東西日本の周波数差は明治時代、関東は東京電燈が50HZ仕様のドイツ・AEG製発電機 (AC 3kV 265kVA) を、わずかに遅れて関西では大阪電燈が60HZ仕様のアメリカ・GE製発電機 (AC 2.3KV 150kW) を採用以来、糸魚川静岡線のフォッサマグナ(地溝帯)を中心にして東日本・西日本の周波数が集約されていった結果である。第二次大戦後、復興にあわせて商用電源周波数を統一構想があったが、復興が急速に進み実現がほぼ不可能。もはや数千億円かかるこの不便を誰も口に出さない。今日になってやっとNHKが夜のニュースでこの周波数のずれで送電がわずか100万KWしか出来ないことを解説していた。

 そういえば、家人が商店街で子どもから貰ったという節電と募金のチラシもよく見たら印刷かカラーコピーだ。微笑ましさを装っているが、発行元が明記されていず、ハテナ?地方選挙も近いことだし、まさかの某宗教団体かもと勘ぐりたくなる。こんなときに良心をくすぐる手口は如何かと、優さぐれオジサンは立腹する。

 寝付かれなかった昨夜のラジオ深夜便で、アンカー柴田佑規子アナとたまたま釜石で被災者になった歌手のクミコの「ロマンチックコンサート」で手紙&力をくれた名曲をテーマに金子ゆかりのサントロペ、田端義夫の十九の春でぐっと和み、最後にクミコがアカペラで歌った阪本九の「ともだち」(永六輔詩・中村八大曲)でグッと来たのに、震災で『何かセナアカン』精神をカタリ、かつタカル行為にげんなり。炭鉱労働者のストで停電の夜が続き、ロンドンの新聞に載ったある老婆のコメント読者のコメント「停電のおかげで、星空が見えた」のようにスッキリとはいかぬか。(3月27日記)

晴れときどき阿呆果 オダマキ


 寒風吹くが陽射しは春。いつものように公園でエクササイズを無事すませ、家人が見慣れない花を観に行こうと花壇へ連れてくれた。北西の一角に、ひっそり可憐な花。名前は?に答えてえてくれたのは通りがかりの花壇の常連そうなオバサン「オダマキといいます」。

 ふむ、オダマキ、聞いたことあるなあ。ホレ、義経の愛妾、静御前が逃避行の果て、文治2年(1186年)3月に母の磯禅師とともに鎌倉に送られ、鶴岡八幡宮社前で頼朝に白拍子の舞を命じられたときに歌ったあの有名な歌だ。「しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな」「吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき」と義経を慕い舞いを拒否。頼朝は激怒するが、妻の北条政子が「私が同じ立場であっても、あの様に謡うでしょう」と取り成して命を助けたという。『吾妻鏡』は、静の舞の場面を「誠にこれ社壇の壮観、梁塵(りょうじん)ほとんど動くべし、上下みな興感を催す」と絶賛している。

  オダマキ(苧環)は機織りの際に麻糸を巻いたもののことで、花の形から名づけられたとはいう。*オダマキ属はキンポウゲ科の属の一つ。ラテン名のアキレギアやアクイレギア(Aquilegia)ということもある。本属植物の総称がオダマキ(苧環)である。 静御前は「倭文(しず)の布を織る麻糸をまるくまいた苧(お)だまきから糸が繰り出されるように、たえず繰り返しつつ、どうか昔を今にする方法があったなら」。自分の名前「静」を「倭文(しず)」とかけ言葉、頼朝の世である「今」を義経の「昔」に変える事ができれば、と歌った。本歌は『伊勢物語』にある「古(いにしえ)のしづのをだまきくり返し昔を今になすよしもがな」。また、「吉野山の峰の白雪を踏み分けて姿を隠していった義経のあとが恋しい」と、義経と別れた吉野山の歌は『古今和歌集』の冬歌、壬生忠岑による「み吉野の山の白雪踏み分けて入りにし人のおとづれもせぬ」が本歌。白拍子といえども古歌を本歌取りする教養に敬意!と、春の午睡前に出典を調べた。(3月26日記)