まや-NET

http://mayanet.zouri.jp/

月曜日, 6月 13, 2011




▲スケッチ帳から6月10日、12日


晴れときどき阿呆果 やっとデモ

 昨日、珍しく日本のデモ風景をTVニュースで視た。6月11日が「世界同時反原発デー」だという。東京ほか被災地フクシマや奄美のデモも伝えている。ローマからは原発の是非を問うイタリアの国民投票を成功させようとポポロ広場に集った「原子力を止めるための投票委員会(CONTITATO VOTA SI PER IL NUCLERE)」主催のデモの様子が映された。伊では12、13日に実施されるが、成立は投票率が50%に達しないと無効になり、微妙な情勢。首相ベルルスコーニがニラミを効かすメディア業界は、日本同様、「国民投票」を大きく取り上げない。
そんな今日の昼前、共同通信は「関電株主、原発からの撤退を 総会に提案」を伝える。
 関西電力の株主124人が、同社に原発からの撤退を求めるといった計7議案を、29日に大阪市で開かれる株主総会に提案したことが12日分かった。関電の取締役会は反対を表明。株主124人は東京電力福島第1原発事故などを受け、「放射能の処理ができない原発はやめる」と定款を変更を提案。原発から撤退するまで役員報酬を支払停止も求めている。別の株主36人も「原発から自然エネルギー発電への転換を宣言する」ことを求める10議案を提案。関電の取締役会はこちらにも反対している。06/12 11:14 共同通信
 「よくいえば自由奔放。悪くいえば無秩序。数千人の参加者が東京・新宿の繁華街を練り歩いた反原発デモは、数百人もの警察官が物々しく取り囲む中、アンプとスピーカーを積んだサウンドカーが大音量で演奏して先導するお祭りのような騒ぎだった▼東京や名古屋をはじめ、全国各地できのう、反原発を訴えるデモがあった。労組が前面に出る従来型だけでなく、ネットを通じて自然に集まった若者たちが、思い思いに声を上げるスタイルに新しい時代の風を感じる」と東京新聞コラム筆洗6月12日は伝える。
 ああ、6・15間近!あの60年から70年のデモの日々が懐かしいゾ! (6月12日)



 東京新聞ついでに、同紙特報は超党派議連発足の狙いは 「地下原発」は菅降ろし?(6月10日)深刻な大震災や福島第一原発事故のさなかに国民をあきれさせた菅直人内閣の不信任騒動。その渦中の先月31日、超党派による「地下式原子力発電所政策推進議連」が発足した。「脱原発」の逆風が吹き付ける原発を臨海部の山の地下に造って進めようという動きだ。だが主要メンバーを見ると、「菅降ろし」を画策してきた首相経験者も名を連ねる。地下原発議連の狙いとは。(佐藤圭、篠ケ瀬祐司) 

晴れときどき阿呆果 佐渡 裕の「音ヲ楽シメ」

ラジオで「五木寛之の親鸞」の朗読を聴く予定をBSの「情熱のタクト~指揮者・佐渡裕ベルリンフィルへの挑戦~」視る。佐渡が今年5月世界最高峰のオケの一つ「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」の指揮台に立つまでの3か月間ドキュメント。小学校の卒業文集に書いた夢をかなえた道のりを紹介。音大でフルート奏者、ふとしたきっかけで京都の女子高のブラバンを指揮、その醍醐味を十分満喫し、メンバーもノッタが、結果は意外の銅賞。演奏を「楽しむ」ことと業界評価に乖離あることを自覚。タングルウッド音楽祭でバーンスタインと知り合い2年間弟子に。
その後、オファーのある演奏会はすべて引き受け腕を磨く。ベルリンフィルのオファーに応え、16分音符の解釈から一つずつ演奏者とリハする過程などを克明に表情を捉え見飽きない。
「モノクロの世界に例え、白黒のピアニッシモの演奏を管楽器奏者に」伝えるなど6時間のリハで「音ヲ楽シミ」いつくしむ佐渡の姿勢はオケメンバーに浸透していく。
 ショスタコーヴィチの交響曲第5番 ニ短調第4楽章さわりが流れたが圧巻!!武満徹の「フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム」を聴き終ってほぼ居眠り状態、深夜のショスターコヴィチまでは届かなかった、無念。(6月11日)

晴れときどき阿呆果 ヤラセ節電?

 「原子力産業と労働者『フクシマ50』の真実」と題する講演の報道が今朝のJANJANニュースに出ていた。
四日市はじめ日本各地の環境破壊・公害現場を45年間、追い続けた写真家、樋口健二の5月3日、フリーター全般労働組合主催の概要を伝える。
 樋口は原発問題も取材してきて、地震の多い日本の原発事故を憂慮、電力会社に対して警告を呈し続けたが、大震災が起こるまで「最高の土木工学技術に基づき、設計されているから大丈夫」と自信満々、ケンもホロロだったという。大震災後「想定外の津波に襲われて事故となった」との言い訳に、怒り心頭、そんなことで人間が守れるわけがないと怒る。樋口は津波以前の地震直後、パイプが破損していたと言い、テレビ出演で「安全」を強調する東大などの一連の御用学者を排除して正しい情報をと。
 節電問題も4月6日付け日刊ゲンダイ記事など、計画停電はヤラセだという報道に同調する。巨大な原子力利権が絡み、海外市場で儲けるために仕組まれたと言う。07年の中越地震により7基の原発がすべて停止したが計画停電なんてなかったと主張。猛暑が予想される中、むやみやたらと電気を浪費するライフスタイルを改めようと発言、「女性自身」「女性セブン」「週刊女性」などの女性誌が、樋口に取材を申し出る状況に驚きを隠せないようだったと、講演を聴いたJANJAN読者が伝える。そういえばガバナー橋下も関電の15%節電にクレームを唱えているが?(6月11日)

晴れときどき阿呆果 ハルキにカタルーニャ賞だが、A紙に見当たらぬ

 スペイン、カタルーニャ自治州政府は人文科学分野で国際的に活躍した「カタルーニャ国際賞」を、村上春樹に授与、現地州政府庁舎で授賞式が行われた。地元メディアによると(*NHKニュースはこう伝えるが?共同はロイター電としている)、村上は9日、受賞スピーチの中で東京電力福島第一原子力発電所の事故について触れ、広島と長崎に原爆を投下され被爆国となった日本にとって「核への反対を続けるべきだった」と述べたという。さらに、原発事故は2回目の核の悲劇と指摘、「今回は私たちみずから自分たちの生活を破壊してしまった」ことに言及。また、震災後の日本が復興に向けて進んでいくと訴え、被災者支援に賞金の8万ユーロ(日本円にしておよそ930万円)を寄付する意向を示した。同賞は過去にノーベル平和賞も受賞したアウン・サン・スー・チーや文化人類学者のクロード・レヴィ=ストロースが受賞している。
 東京新聞は【バルセロナ共同】で村上春樹がカタルーニャ国際賞の授賞式で行ったスピーチ要旨を伝え、Y紙は村上春樹さん「原子力、拒否すべきだった」とパリ支局発記事で。M紙は村上春樹さん:カタルーニャ賞で「核に対するノー」演説とスピーチ原稿全文を併載。NHKは「村上春樹氏 被爆国日本は核反対を」と伝え、賞金8万ユーロ寄付意向を報じ、共同は「47NEWS 共同ニュースで「核への「ノー」貫くべきだった 村上春樹氏がスピーチ」とスピーチ全文も。
 ジャパンタイムスもNovelist Murakami slams nuclear policy(原子力政策を非難)と掲載。
検索できる電子版メディアはすべてチェックしたが、A紙だけが無い!これはどうしてか?


 スピーチ要旨はつぎのとおり(東京新聞電子版)、各紙がどう伝えたか参考になる。
一、東日本大震災で全ての日本人は激しいショックを受けた。今なおたじろぎ、無力感を抱いている。
一、だが、われわれは精神を再編成し、復興に向けて立ち上がっていくだろう。われわれはそうやって長い歴史を生き抜いてきた。
一、日本は唯一核爆弾を投下された国だ。放射能が世界や人間の身にどれほど深い傷痕を残すか、われわれは被爆者の犠牲の上に学んだ。
一、福島第1原発事故は日本人が体験する2度目の大きな核の被害だが、今回は爆弾を落とされたわけではない。自らの手で過ちを犯した。
一、理由は「効率」だ。原子炉は効率が良い発電システムだと電力会社が主張し、政府も国策として推進した。
一、地震国の日本は世界第3の原発大国となり、原発に疑問を呈する人には「非現実的な夢想家」というレッテルが貼られた。
一、だが原発は今、無残な状態に陥った。原発推進派の「現実」とは「便宜」にすぎなかった。論理をすり替えていたのだ。
一、(福島事故は)すり替えを許してきた日本人の倫理と規範の敗北でもある。われわれは自らも告発しなければならない。
一、日本人は核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった。技術力を結集し、持てる叡智を結集し、社会資本を注ぎ込み、原発に代わる有効なエネルギー開発を国家レベルで追求すべきだった。それが、広島、長崎の犠牲者に対する、集合的責任の取り方となったはずだ。
一、損なわれた倫理や規範は簡単に修復できないが、それはわれわれ全員の仕事だ。新しい倫理や規範と、新しい言葉を連結させなくてはならない。
一、夢を見ることを恐れてはならない。「効率」や「便宜」という名前を持つ災厄の犬たちに追い付かせてはならない。われわれは力強い足取りで前に進んでいく「非現実的な夢想家」でなくてはならない。
(6月10日)