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火曜日, 8月 30, 2011

晴れときどき阿呆果

夏の思い出


夏は思い出に相応しい言葉だ。
エクササイズに出る公園ではつくつく法師が鳴き、池の上をアキアカネが群舞する。日の傾きも早い。
去りゆく夏への思いを広津和郎は「妙に哀感が身にしみる。峠を下るということの淋しさに違いない」と小品に書いているが、言いしれぬ寂しさは、加わった年齢と無縁ではない。野見山朱鳥=あすかの「秋風や書かねば言葉消えやすし」が身にしみる。(8月28日記)

エリを正す!

その昔、とある田舎役場に記者クラブあって4大紙やNHKの担当記者が詰めていました。この町にはA紙M紙の老舗新聞には通信部もあって、記者は住居兼通信部からクラブに詰めていました。もちろん大事件などめったに発生しない土地柄。事件があって警察ダネなどもれ落ちない横並び仲間意識。記者同士は顔を合わせてはマージャンや、手っ取り早い花札を使ってのコイコイ賭博で時間をつぶし、仲良しクラブを維持していました。記事は広報担当者に、できるだけ写真の着いたものをせっつきます。月末にはタダで使っている電話代の町長名の領収書をもらって会社に請求します。街の助役もせっせと交際費切って大きな町の高級クラブへ記者を案内します。
あるとき、M紙の敏腕記者が赴任してクラブの仲良し慣行を無視、自分流の取材を敢行して、ついにはクラブ除名騒ぎに発展。傍らにいて経緯を知り、まあ、記者クラブやメディアって、そんな程度や思ってはいたが?。
 例のシンスケ騒動で独自の見識や態度を発揮したメディアがなく、地方紙・伊勢新聞コラム大観小観氏(8月26日)は次のようにエリを正して自戒している。
所属事務所が引退会見連絡を「会見後解禁」の要請つきで報道各社へ送ったのが会見二時間前。みんなお行儀よく「会見後」まで〝自粛〟したと本紙が報じていた。所属事務所の力がかつての「五社協定」や「ナベプロ王国」並みということだろうが、通知以前ならともかく、当事者側から〝ネタの存在〟を教えられて要請だけ無視したのでは自慢もできまい。国民に一刻も早く報じる内容という報道機関の使命に照らして判断するというのなら、また別。タレントの引退がそれに匹敵するということか。ばかばかしいが、こちらのセーフとアウトの感覚が世間とずれてきたのかもしれない。(8月27日記)